七夕が近づいていますね。七夕といえば天の川ではないでしょうか。
肉眼で天の川を観察できる場所は少なくなっていますが、写真になら何とか写ります。
特に夏は天の川が明るい季節ですので絶好のチャンス!
今回特別な機材なしでも撮影できる方法がないか検討してみました。
デジタル一眼レフカメラ(ミラーレスカメラ)をお持ちの方なら、お子様やご家族とご一緒に試してみてはいかがでしょうか。
【使用機材】
1.デジタルカメラ
できればミラーレス一眼がよいです。今回はOLYMPUS OM-D E-M5を使用しました。
お持ちでない方はぜひ。E-M1ならばローパスフィルターレスのため、HII領域もよく映る(はず)のでさらにステップアップしたい方はこちらを選択してください。
2.レンズ
広角(35mm換算24mm程度)でかつ明るい(F1.8、F2.8など数字の小さいほうが明るい)レンズがあると有利です。
今回は ZUIKO 14-54 f2.8-3.5を使用しました。
M.zuiko 12mm f1.8
M.zuiko 25mm f1.8
などがお勧めです。
3.三脚
普通の三脚で大丈夫です。
4.暗い場所
暗ければ暗いほどよいですが、現実にはなかなかそんなところはありません。視野に電灯が入らないところを見つけてもらえれば何とかなります。
(ヒント)
夏の天の川はさそり座の隣にあります。(下図)
さそり座は日暮れ直後の南もしくは西の空に見える「T」字の星の並びです。上図の線の引いてあるやつですが、赤いところはほとんど見えません。
白線を引いた「T」字を探して、その左側を狙いましょう。
さそり座が見えたら天の川も見える(写る)チャンス!
今回はおなじみ滝地山園地(熱海市)をチョイスしました。熱海と沼津の明かりに照らされて結構まぶしいです。
【撮影手順】
1.設置
三脚にカメラを設置します。
三脚は足と首(エレベーター)の両方が伸びますが、エレベータは伸ばすと不安定になるので、よっぽどのことがなければ縮めたままにします。
レンズはカメラにしっかりつけてください。ズームレンズの場合は一番広角側に設定します。
2.カメラ設定
・上部のダイヤルを「M」(マニュアル)に設定します。
・ISO感度を3200に設定します。
・上部ダイヤル(右側)を回してシャッター速度を15秒(15'')に設定します。
・上部ダイヤルを回して絞り値をf2.8に設定します。
(解説)
露出(写真の明るさ)はISO感度Xシャッター速度(秒)/絞り値^2 で決定されます。
なので
絞り値が2.8にならないレンズの場合は 2.8→4.0→5.6→8となるにしたがってISOを6400→12800→25600と変化させていってください。
SONYのα7などをお持ちの方でしたらISO407000!!まで上げられるらしいので、シャッター速度を1/4まで上げられます!もはや手持ちでOKです。
3.導入
上で述べたように、まずはさそり座を探します。
広角レンズでしたらさそり座が右端に移るようにすると大体入ります。
実際には液晶に写る星はわずかなので、撮影してみるまでどんな風に写るかはわかりません。
暗闇を写す感じです。
4.フォーカス調整
レンズのピンとリングを回してフォーカスを合わせます。
さそり座のアンタレス(真ん中変の赤い星)は明るいのでかなり暗いレンズを使っている場合でも液晶に表示されるはずです。
その星が点になるように調整します。拡大機能を使いこなしている人は、拡大表示して精密にあわせてください。ただ、天の川の場合はそんなに厳密ではないです。
5.撮影
シャッターを押します。
セルフタイマーモードなどで撮影するとシャッターを押したときの手ぶれがおきなくてなおよいです。
15秒たつと撮影が終わり、液晶に結果が表示されます。結果は下図。
よーく見ると星が流れていますが(地球の自転運動によって星の見える位置が変わるため)特に気になりませんね。
ちなみに赤道儀を使って星を追いかけて撮影した場合は下記
やはり色合いは若干深くなっていますがあまり差がない?かなと思います。
赤道儀を使った場合は逆に地上の風景(この場合は電波塔)がぶれてしまいますから。。。。ちなみに上のほうの灰色っぽいエリアは雲です。
どうしても雲が切れなくて。。。。
応用編
同じようなことを望遠レンズで行ってみると。
なんか天体ぽいものも写りますね。これは75mmです。
6.まとめ
デジタルカメラを使えば天体撮影も身近になります。
せっかく手に入れたカメラですのでぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
ストロボを使って工夫すれば、天の川を背景に記念撮影 なんてことも可能です!